1. HOME
  2. 知る・学ぶ
  3. SN見聞録
  4. 「第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」大分県 オンラインで開催!

印刷する

「第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」大分県 オンラインで開催!

令和4年8月4日・5日の両日、「第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」が大分県東春日町で開催されました。

栄養教諭・学校栄養職員を中心に、全国から学校給食関係者がオンラインで参加し、2日間にわたり全体会・分科会が以下の内容で行われました。

1.大会概要
1)主題
『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』~大分から全国へ うまい・楽しい・元気な食育~
2)趣旨
学校における食育の推進に向けて、児童生徒に対する食に関する指導のあり方や学校給食の充実方策について研究協議し、栄養教諭・学校栄養職員の資質の向上を図る。
3)開催日
令和4年8月4日(木)・5日(金)
4)開催方法
Web会議システム(Zoom)によるオンライン開催
5)会場
1日目(全体会)
「大分県消費生活・男女共同参画プラザ アイネス」大会議室
2日目(分科会)
「J:COMホルトホール大分」201・202・302・303会議室
「大分県消費生活・男女共同参画プラザ アイネス」大会議室
「ソレイユ(一社 大分県労働福祉会館)」カトレアA・アイリス・牡丹
6)主催
文部科学省、大分県教育委員会、大分市教育委員会、
公益社団法人全国学校栄養士協議会、公益財団法人大分県学校給食会
7)協賛
一般社団法人全国学校給食推進連合会
8)後援
公益財団法人 日本教育公務員弘済会大分支部

2.全体会概要
1)開催日
令和4年8月4日(木)
2)文部科学省・文化庁説明
文部科学省 演題:「学校における食育の推進と栄養教諭の役割」
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 課長/南野 圭史
文化庁説明 演題:「文化庁における食文化継承に向けた取組」
文化庁参事官/野添 剛司
3)基調講演
演題:「栄養教諭の更なる活躍を目指した役割」
講師:神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 栄養学科長 鈴木 志保子 氏
4)シンポジウム
主題:「学校・家庭・地球に求められる栄養教諭」~栄養教諭の更なる活躍を目指した役割の追求~
コーディネーター:
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 学校給食調査官/齊藤るみ
シンポジスト:
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 食育調査官/山上 望
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 栄養学科長/鈴木 志保子
大分市立鶴崎中学校 校長/甲斐 洋治
日出町立藤原小学校 栄養教諭/酒井 直子
大分県PTA連合会 副会長/平本 泉

3.分科会概要
1)開催日
令和4年8月5日(金)
2)各分科会と研究主題
(1)単独調理場
研究主題
「栄養教諭を中核とした単独実施校における食に関する指導の在り方」
(2)共同調理場
研究主題
「栄養教諭を中核とした共同調理場から受配する学校における食に関する指導の在り方」
(3)特別支援学校
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かした障害のある児童生徒一人一人に応じた食に関する指導の在り方」
(4)個別的な相談指導
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かした児童生徒への個別的な相談指導の進め方」
(5)食育推進体制
研究主題
「全教職員による食育推進体制及び家庭や地域、関係団体等と連携した推進体制の構築における栄養教諭の役割」
(6)食育の評価
研究主題
「食に関する指導の全体計画と評価及び栄養教諭の配置効果」
(7)栄養管理
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かした栄養管理と生きた教材となる献立作成」
(8)衛生管理
研究主題
「衛生管理責任者としての栄養教諭の役割」

4.大会に参加して

オンラインで開催された今大会に2日間参加し、その内容を以下の通りご報告いたします。

【全体会】基調講演

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 栄養学科長 鈴木 志保子先生の基調講演「栄養教諭の更なる活躍を目指した役割」では、栄養教諭の担っている職務とその役割の重要なこと・課題・置かれている厳しい状況についてお話がありました。子ども達のために「食に関する指導を充実させる」には更なる栄養教諭の活躍が必須であり、そのためにどのように課題と向き合っていくべきなのかについて、ご提言がありました。その内容は「栄養教諭自身が動かないと何も変わらない!」とエネルギッシュで力のこもったもので、圧倒されるほど強いインパクトのあるメッセージでありました。

そして、「『学校・家庭・地球に求められる栄養教諭』~栄養教諭の更なる活躍を目指した役割の追求~」と題したシンポジウムでは、ご参加者の方々から鈴木先生の基調講演を受け、改めて気付かされ、再認識することができたとのご意見がたくさん出ていました。

また、栄養教諭・学校栄養職員自らが積極的に発信して、周囲の方々の認識に変化を与えることが重要で、このことによって状況が前進するという非常にインパクトのある内容でした。そして、チーム学校として食に関する指導の意識が低かったことに気付いたとの学校長からのご発言や、保護者代表として、大分県PTA連合会 副会長 平本 泉様から「栄養教諭がいかに求められている職務であるか」など、様々なお立場の方々の率直で具体的な意見交換と共に課題改善のための対策について、活発に話し合われました。

このように今大会シンポジウムは終始、熱気にあふれ、受講者も知らぬ間に力が入って、重要な授業をしっかり学習させて頂くことができました。

【分科会】第7分科会:栄養教諭の専門性を生かした栄養管理と生きた教材となる献立作成

①児童生徒の実態に応じた献立作成と栄養管理の在り方
②児童生徒の学校給食における栄養摂取状況の把握と評価の在り方
③学校給食を生きた教材として活用するための献立作成の在り方
の3つの研究発表について、下記の発表者・指導助言者で話し合われた後、視聴側からチャットを通して活発な意見交換がなされました。

<発表者>
・大分県日田市立東渓小学校 栄養教諭/三宅 祐子
・熊本県山都町立清和小学校 栄養教諭/瀧口 祐子
・山口県山口市立二島小学校 栄養教諭/尾上 隆子

<指導助言者>
・女子栄養大学学校給食・食育研究室 准教授/中西 明美
・高知県香美市立山田小学校 栄養教諭/北村 加菜

3件の研究発表を基に、①児童の実態把握給食アンケートや数値指標を基に、担任と情報共有することによる給食の供給量の確認食に関する指導を「生きた教材」とするため、地産地消等を組み込んだ献立作成の実際について話し合われました。

また、収穫体験等の各教科・学級活動と連動した児童の意識を高める取組⑤給食時間にICTを活用してPTA家庭教育部の動画視聴を行うことや、ホームページ・おたより等を通して、家庭・地域や関係機関と連携すること等についても、様々な形で活発に意見交換がされました。

本大会の第7分科会に参加して、私たちは改めて主催者の方々・受講される方々の、例年より高い真剣な想いと、最新の情報を正確にキャッチしたいという積極的なご姿勢を痛感しました。各テーマや取組・課題については、子ども一人ひとりが自分に必要な量・質を自分自身で考えて食べることができる「食の意識」を高めるために、栄養教諭等の専門性が正しく発揮されて、食に関する指導をしっかり実施することがとても重要だということを、改めて再認識いたしました。

山本晶子・岩倉綾子 記