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無料で提供されるフィンランドの学校給食をご紹介します!

「平等であること」を重んじるフィンランドでは、小学校前の1年間のプレスクール・小学校・中学校(小中一貫校が多数)・高等学校の昼食の給食は、国が負担し無料です。

フィンランドでは【子ども達の育成と教育をサポートするため】に、学校給食無料化は1943年に法律で制定されました。その概要を以下にご紹介します。

フィンランドの学校給食無料化が正式に始まったのは、第二次世界大戦が終わった後の1948年からで、それより数年前から始まってはいたが、一部の自治体による小規模な取組だった。現在はフィンランド全土に渡って実施され、学校給食無料化が始まってから約70年となる。70年も続く政策のコンセプトは「良い学校給食は未来への投資」とシンプルだ。

法律によって定められた学校給食は、教育の一部となっている。国全体の教育方針は、フィンランド教育委員会によって制定され、その中に給食による教育も盛り込まれている。そして、各自治体や学校が権限を持ち実施している。ただし学校給食の内容は、フィンランド栄養協議会から提供されたガイドラインに沿って、メニューを選択し調理している。

フィンランドでは教室で食べるのではなく、学校内に食堂があり、子ども達や先生などがそこに集まって食べる。全校生徒が全員一斉に入ることができないため、学年により昼食の時間が決められている。日本の学校給食と大きく異なる点は、ブッフェ形式で子ども達自身が好きな食材を、好きな量だけ食べることができる。そのため、やはり嫌いなものは取らない子どもや、驚くほど少しの量しか食べない子どもがいることも事実だ。一方で、残す量は圧倒的に少なく、その点はブッフェ形式の良さだと言える。

学校給食のメニューは、1948~1960年代までは主にスープとお粥、1960年代以降に多様化が徐々に始まり、冷凍野菜や加工食品などが初めて加えられた。更1970年代以降は、お米やスパゲッティなど、一般家庭にまだ普及していないメニューが取り入れられ、今では多様な食材を楽しむことができるようになった。そして最近では、大きな都市ではベジタリアンメニューに加え、ヴィーガン(※)メニューまで提供されるようになっている。また、豆乳や様々な種類の牛乳は無料だが、コーヒーなどは有料で、デザートは果物・乳製品・ベリーなど健康的なものしか提供せず、基本的に糖類飲料や高塩分、高カロリーのお菓子などは提供しない。

フィンランドの学校給食は無料でしかもメニューが豊富であり、お腹が空いた際、給食だけを食べに学校に来ることも認められており、子ども達には親の収入や家庭状況に振り回されることなく、安心してご飯を食べることのできる環境が提供されています。

※ヴィーガンとは「絶対菜食主義者」という意味。
肉や魚はもちろん、卵・チーズ・バター類・はちみつ・ゼラチンなども食べない。